妊娠中の便秘解消方法

1.薬を使わない、妊婦さんの便秘解消方法

できるだけ薬を使わずに解消したい妊婦さんの便秘。
実は便秘は、生活習慣を見直すことで解消に向かうことが期待できるのです。
どうしてもうまく解消できないときは無理をせずかかりつけの産婦人科で相談していただきたいですが、まずは自分自身の生活を見直すことで改善を目指してみましょう。

それでは、生活習慣の中のどんなところを見直せばいいのでしょうか。
便秘の解消のために、日常生活の中で妊婦さん自身ができることを大まかに挙げてみると、以下の四つの点になります。

・食生活を見直すこと
・適度な運動をすること
・排便のリズムを作ること
・よく眠り、リラックスして過ごすこと

どれもそれほど難しいことではないようで、でも、慣れない間は少し大変に感じるのかもしれません。
これまでの生活になかったことを取り入れるのは億劫なものです。
妊娠中は特に、気分がすぐれなかったり、動くのが大変だったりして、あまり余裕がないこともあるかもしれません。

しかし、妊婦さんが心身共健やかに出産の日を迎えられるように、便秘はぜひとも解消しておきたい悩みのひとつ。
妊婦さん自身のちょっとした努力で解消が期待できるなら、気分転換のつもりで試してみませんか?

おなかの中ですくすく育っている赤ちゃん。
そんな赤ちゃんと出会う前のママのひと仕事だと思って、できそうなものからぜひ挑戦してみましょう。

生活習慣をどう見直し、どんなことをしてみたらいいか、次からひとつひとつ少し詳しくみていきます。

2.妊娠さんの便秘解消に効果のある食事

・食物繊維には、働きの異なるふたつの種類がある

まず、食生活の見直しです。
つわりがひどい状態でなければ、便秘の解消に効果的な食事をとることができるように、普段の食生活を見直してみましょう。

では、便秘解消に効果のある食品にはどんなものがあるでしょうか。
また、あなたは普段それらをどれくらい食べているでしょうか?

便秘の解消に効果があると考えられるのは、食物繊維を多く含んだ食品というのは聞いたことがあるかもしれません。
食物繊維が多い食品といえば、思い浮かぶのはゴボウやサツマイモ。
でも、もしかすると「サツマイモをたくさん食べても便秘が解消されない…」と悩んでいる妊婦さんがいるかもしれません。
サツマイモだけ食べていても、お通じはよくならないの?

実は、食物繊維にはふたつの種類があるのを知っていましたか?
それは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維。
ふたつの食物繊維はそれぞれ働きがちがうので、便秘の解消を目指すには、このふたつの食物繊維をバランスよく取り入れることが望まれるのです。

水に溶けない不溶性食物繊維は、水分を含むと膨らんで便の「かさ増し」の役割をします。
便のかさが増すことで、腸が刺激されスムーズな排便へとつながります。
水分を含まないとこの作用がよく働かないので、重要なのは食べるばかりでなく水分をしっかりとること。
体を冷やしすぎるのに注意して。

水に溶ける水溶性食物繊維の働きは、腸内環境を整えること。
そして、便を排出しやすい軟らかい状態にしてくれる作用もあるのです。
不溶性食物繊維をたくさん取り入れて便のかさが増しても、それが硬いままではなかなか外に出すことができません。
サツマイモは不溶性食物繊維を多く含む食品なので、改善が見られないときは、水溶性食物繊維を多く含む食品も一緒に食べるようにする必要があるかもしれませんね。

・ふたつの食物繊維、どちらも大事!

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維。
これらは2:1の割合で摂取するのが望ましいと考えられています。

食物繊維を多く含む食品を選んでしっかり食べるようにしているつもりでも、実は摂取できているのは不溶性食物繊維ばかりで、水溶性食物繊維が不足してしまっているという人も少なくないようです。

食物繊維の多いものを食べるようにすることから、さらに一歩進んで、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をバランスよく摂取できるように意識してみましょう。
特に水溶性食物繊維は、意識して取り入れないと不足してしまいがち。
不溶性食物繊維が便のかさを増し、水溶性食物繊維がその便を排出しやすい柔らかさに調節。
こうして両方が上手に働けば、排便がスムーズに行われるよう促され、便秘の解消につながります。

不溶性食物繊維の多く含まれる食品例
豆類、おから、ライ麦、切り干し大根、ゴボウなど

水溶性食物繊維の多く含まれる食品例
昆布、こんにゃく、寒天、乾燥プルーンなどドライフルーツ、アボカドなど

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をしっかり含む野菜には、ゴボウやオクラ、モロヘイヤなどが挙げられます。
納豆や切り干し大根も優秀。
偏りなくバランスよく取り入れていきましょう。

妊婦さんの中にはつわりの症状が出ている人もいるでしょう。
つわりがひどいときには無理はしないで。
上に挙げたような食品の中から、「これなら食べられるかも」と思うものを調子のいいときに少しずつ食べてみてください。
あまり量が食べられないときは、少量を数回に分けて食べるのもいいと思います。

3.妊婦さんの便秘解消と運動方法

便秘の原因のひとつである運動不足を解消するためには、適度な運動が必要です。
妊婦さんの運動には注意する点がいくつかありますが、運動には体重管理や気分転換といったメリットもあります。
産婦人科の先生に相談してOKがもらえたら、身体の状態に気を付けながら妊婦さんでもできる運動を始めてみましょう。

オススメなのは、呼吸を意識しながら行うことのできる有酸素運動。
便秘に悩んでいるときは自律神経のバランスが崩れているといいます。
ゆっくり息を長く吐く呼吸は、副交感神経の働きを高め、自律神経のバランスを整える効果が期待できるのです。

つまり、呼吸が荒く短くなる激しい運動よりも、便秘の解消に向いているのはゆっくりと長い呼吸ができる運動。
激しい運動は転倒などの心配もあり、運動に慣れていない妊婦さんが今から始めるにはあまりオススメとはいえません。

便秘を解消したい妊婦さんが始めるなら、オススメはいつでもどこでもひとりでも始められるウォーキング。
コツはありますが、運動が得意ではないという人でも挑戦しやすいかもしれません。

マタニティスイミングは重たいおなかを気にせず気持ちよく体を動かせますし、体重管理の効果もあるでしょう。
呼吸が肝心なマタニティヨガも有酸素運動です。
レッスンに通って他の妊婦さんと交流しながら運動できるのも楽しいものです。

それぞれにメリットとデメリットがありますから、自分に合った運動を見つけてみましょう。
始める前には産婦人科の先生に相談することを忘れずに。

また、スイミングやヨガは、専門的な知識を持つインストラクターさんの指導のもとで行いましょう。
ヨガやストレッチには妊婦さんが避けたほうがいいポーズもあります。
自己流は禁物。
妊婦さんの身体とおなかの赤ちゃんに負担をかけないことが何よりも大切です。

4.妊婦さんの便秘解消と生活習慣

・朝のトイレが排便のリズムを作る

便秘を解消するために改善したい生活習慣。
食事や運動に加えて大切なのは、排便のリズムと睡眠時間です。

便秘があたりまえの状態になってしまっている身体に、排便のリズムを覚えてもらいましょう。
早寝早起きが習慣になっていると、目覚ましのアラームが鳴る前に自然と目が覚めてしまうことがありますよね。
同じようにうまく習慣付けてしまえば、毎日自然と排便を行う感覚を身体が取り戻し、便秘の解消につながることが期待できます。

やることは簡単。
毎日同じ時間にトイレに行き、便座に座ることで排便のリズムを作りましょう。
トイレの前に水分をとるとより効果的です。

最初のうちは便が出ないかもしれませんが、続けることが大切です。
便が出る気配がないときは、長い間トイレにこもってうんうん唸っていなくても大丈夫。
出ないことにイライラしてストレスになっては逆効果ですから、気配がなければサッと引き上げましょう。

大事なのは毎日同じ時間にトイレに行く習慣を作ることです。
長時間便座に座って無理にいきんだりすると、痔の症状につながってしまうので気を付けて。

トイレに行く時間は、できれば朝がいいといわれます。
起床後は腸が活発に動く時間帯。
水を飲み朝食を食べることで、さらに胃や腸が刺激され活動を促すことができます。

一日の始めにスッキリと排便することができれば、自然と生活のリズムも規則正しく整うので朝のトイレ習慣はオススメ。
水分は朝以降もこまめにとるといいですが、冷たい飲み物ばかり大量に飲むと体を冷やしてしまうので注意しましょう。

・睡眠不足やストレスを解消する工夫を

次に、睡眠時間です。
副交感神経はぐっすり眠っているときやリラックスしているときに活発に働くので、自律神経の乱れを整えるために睡眠不足の解消が必要です。

妊娠によって生活のリズムが変わり、まだ慣れられずにいる妊婦さん。
お仕事を続けていて、慢性的に睡眠不足の妊婦さん。
妊娠や他のことに起因するストレスでよく眠れないという妊婦さんもいるでしょう。

睡眠不足の原因は様々ですぐには解消できないこともありますが、生活リズムを見直したり、忙しい妊婦さんはご家族の協力を得るなどして、できるだけ床に就く時間が遅くならないようにできればいいですね。
工夫して、しっかり睡眠をとれるような生活を心がけましょう。

リラックスのためには、妊娠中に感じる様々なストレスをできるだけ和らげることも大切です。
ストレスの原因をすべて取り除くのは難しいかもしれませんから、うまく付き合って行くことが必要。
ゆったりした時間を過ごすように心がけたり、好きなことを楽しんだり。
自分なりのストレス発散法を見つけてみましょう。

・お風呂は少しぬるめのお湯をためてゆっくりと

排便のリズムや睡眠時間の他に、見直したいのはお風呂の習慣。
女性の中にはお風呂が好きという人も多いかもしれませんが、中には普段はシャワーで済ませているという人もいるでしょう。
忙しいとなかなかゆっくりお湯につかっている時間がないということも。

しかし、便秘の解消には身体をあたためることも効果的なんです。
身体をあたためることで血行が良くなり、腸などの内臓の動きも活発になるといいます。
また、ひとりであたたかい湯につかりゆっくりと過ごすお風呂の時間は、リラックスの効果もあるでしょう。

普段はシャワー派という人も、浴槽に湯をためてゆっくりと身体をあたためるようにしてみましょう。
熱いお湯に短時間つかるより、熱いと感じるよりもう少し湯温を下げて長くつかるほうが効果的。
特に下半身を冷やすとよくないので、足湯も効果があるといわれます。

5.妊婦さんの便秘解消方法のまとめ

改めて妊婦さん自身が便秘を解消するためにできることをまとめてみます。

・食生活を見直し、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を多く含む食品をバランスよく食べることを意識する
・ウォーキングなど、妊婦さんの身体の状態に応じた運動を適度に行う
・朝、水分や朝食をとった後、決まった時間にトイレに行く習慣をつけ、排便のリズムを体に覚えさせる
・睡眠時間をしっかり確保してぐっすり眠り、ストレスを和らげリラックスした気持ちで毎日を過ごすようにする

気軽に挑戦できることもあるでしょうし、ちょっと大変だと感じることもあるかもしれません。
食生活の改善に一生懸命になりすぎた結果、疲れてしまってストレスを感じるようになる…なんてことになっては、せっかくの便秘解消のための行動が逆効果。

妊婦さんの心と身体はデリケートなところがありますから、無理をせず、できることから始めてみてください。
完ぺきにやらなきゃと思い詰める必要はありません。

「全部改善するのは大変そう…」と不安に思うこともあるかもしれませんね。
でも、運動を始めてみたらよく眠れるようになって、睡眠不足が解消したり。
マタニティスイミングやヨガのレッスンが意外と楽しくて、気分転換になることでストレス発散につながったり。
こんなふうにひとつの改善が、他の改善につながっていくということもありますよ。

一度に全部ではなくても、やってみようかなと思えるものから始めてみることが大切です。
まずは明日の朝、お水を飲んでトイレに行ってみませんか。

これらのことを試してもどうしても改善がみられない。
便秘がひどくて身体の調子が悪くなってきた。
そういった場合は、我慢せず産婦人科で担当の先生に相談しましょう。
産院の先生なら妊婦さんの状態に応じて、妊婦さんにとって安全な対処をしてくれるはず。
自分で解決できないことがあるときは、病院を頼るのも必要なことです。

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